【2024年最新】健康診断の3種類の助成金を紹介!申請の流れと注意点も解説

健康診断 助成金

健康診断で申請できる助成金は以下の3つです。

「人材確保等支援助成金(職場定着支援助成金)」は受付休止中ですが、再開する可能性があります。なお、キャリアアップ助成金は廃止されているため注意が必要です。

また、企業には健康経営に関する助成金も用意されているため、さまざまな助成金活用によって従業員の健康確保に対するコストを抑えることが可能です。

本記事では以下のことについて詳しく解説します。

最後まで読めば助成金対象となる健康診断の内容・申請手順・注意点がわかり、スムーズに健康診断の助成金を申請できるようになるでしょう。

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健康診断に助成金は使用可能?要件について解説

健康診断 助成金の要件

結論、法定内健康診断は法律によって実施が企業の責任とされているため、助成金の対象外です。

一方で「法定外健康診断」は助成金の対象になります。

ここでは、2つの健康診断の違いを解説します。

法定内健康診断は、1年に1回の実施が義務化されている定期健康診断などが該当します。法定外健康診断は人間ドックなど、企業が負担しなくても良い健康診断のことです。

最後まで見れば、助成金対象となる健康診断の種類がわかるでしょう。

法定内健康診断

法定内健康診断(一般健康診断)に該当するのは以下の7つです。

  • 定期健康診断
  • 雇入れ時健康診断
  • 海外派遣労働者の健康診断
  • 特定業務従事者の健康診断
  • 給食従業員の検便
  • 深夜業従事者の自発的健康診断
  • 労災保険の二次健康診断等給付

また、有害な業務に常時従事する労働者が対象の、以下の健康診断も法定内健康診断です。

  • 特殊健康診断
  • じん肺健診
  • 歯科医師による健診

厚生労働省や各種助成金制度を実施している機関は、法定内健康診断に対する助成金の支給を行っていません。そのため、法定内健康診断にかかる費用は、企業が全額負担する必要があります。

法定外健康診断

法定外健康診断は以下の3つです。

  • 人間ドック
  • 生活習慣病予防健診
  • オプション検査

法定外健康診断とは企業が負担する義務のない健康診断のことです。

法定外健康診断の費用を「従業員の健康維持に貢献するため」に会社が負担する場合は、助成金の利用が可能です。

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【2024年最新】健康診断に関する3種類の助成金

健康診断 3つの助成金

健康診断に関する助成金は以下の3つです。

国や地方自治体が健康診断の費用を助成する制度は、2024年時点で休止・廃止されています。一方、民間団体は健康診断に関する助成金を取り扱っているケースがあります。ここでは、3つの助成金について詳しく解説します。

最後まで見れば、健康診断に関する助成金の種類と活用方法がわかり、企業の健康管理支援を充実させられるでしょう。

【受付休止中】人材確保等支援助成金(職場定着支援助成金)

人材確保等支援助成金は、労働環境の向上を図る事業主や事業協同組合に対して、厚生労働省が支給する助成金です。人材の確保と定着を目指し、設備や機器の導入、体制づくりなどの取り組みを支援します。

代表的なコースである「雇用管理制度助成コース」は、研修制度や健康づくり制度の導入により、雇用管理の改善を行う事業主に対して支給されます。健康診断は健康づくり制度を導入した場合が助成金の対象です。

項目内容
目標達成助成
57万円
※生産性要件を満たした場合は72万円
対象の検診○胃がん検診 ○子宮がん検診 ○肺がん検診 ○乳がん検診 ○大腸がん検診
○歯周疾患検診 ○骨粗鬆症検診 ○腰痛健康診断

引用元:厚生労働省

企業は人材確保等支援助成金を活用すると、従業員の健康管理支援が充実し、健康的な職場環境が構築できます。

人材確保等支援助成金は、2022年4月1日以降、整備計画の新規受付が休止されている助成金です。

再開の予定については、厚生労働省の最新情報の確認が重要です。

【令和4年度より廃止】キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)

キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)は、法定外の健康診断を実施する企業に対して支給される助成金です。主に有期雇用の労働者に対する健康診断を対象としており、生産性の向上が認められる場合に助成金が支給されていました。

令和4年度よりキャリアアップ助成金(健康診断制度コース)は廃止となっています。

健康診断で助成金を活用したい場合は、別の助成金を申請する必要があります。

民間団体の助成金

民間団体の助成金は以下の通りです。

【令和6年3月31日に終了】
一般財団法人
あんしん財団
・会員に向けた健康診断の費用補助
・定期健康診断が補助対象
・補助金額は1名あたり2,000円まで
・4月1日~翌3月31日の間で1回まで
一般社団法人
東京都トラック協会
・会員に向けた健康診断の費用補助
・定期健康診断が補助対象
・令和6年4月1日~令和7年3月7日
・補助金額は1名あたり1,000円(上限30名)
公益財団法人
船橋市中小企業勤労者福祉サービスセンター
・会員に向けた健康診断の費用補助
・定期健康診断:800円
・人間ドック:2,000円~8,000円
・予防接種:1,000円
・ストレスチェック:300円
※上記は1人あたりの助成額

引用元:一般財団 法人あんしん財団
引用元:一般社団法人 東京都トラック協会
引用元:公益財団法人 船橋市中小企業勤労者福祉サービスセンター

詳細は各民間団体へ問い合わせましょう。また、自社が加入している団体が、健康診断の費用補助をしていないのか確かめるのもおすすめです。

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健康診断以外で活用できる助成金一覧-健康経営を目指そう!-

健康診断以外の助成金

健康診断以外で活用できる助成金は以下の通りです。

業務改善助成金業務改善助成金は生産性の向上を目指す中小企業に支給される助成金です。
具体的には、機械設備の導入・コンサルティング・人材育成・教育訓練などに対して支給されます。
受給するためには、設備投資を行うだけでなく、事業内最低賃金を一定額引き上げることが条件です。
生産性向上と従業員の待遇改善を同時に実現するための助成金といえます。
働き方改革推進支援助成金働き方改革推進支援助成金は、働き方改革に取り組む中小企業を支援するための助成金です。
労働時間の短縮や有給休暇の取得促進、職場環境の改善など、働きやすい環境作りにかかる費用の一部が助成されます。
具体的には、労働時間短縮・年休促進支援コースや勤務間インターバル導入コースなど、事業者のニーズに応じた複数のコースが用意されています。
受動喫煙防止対策助成金受動喫煙防止対策助成金は、受動喫煙防止に取り組む中小企業を支援するための助成金です。
禁煙専用室や分煙設備の設置、喫煙室の改修など、受動喫煙防止に必要な設備の導入費用の一部が助成されます。
受動喫煙防止は、従業員の健康を守るだけでなく、職場環境の向上にもつながります。

引用元:業務改善助成金|厚生労働省
引用元:労働時間等の設定の改善|厚生労働省
引用元:受動喫煙防止対策助成金|厚生労働省

上記の助成金は健康診断に直接関係していませんが、健康経営を推進するために役立つ助成金です。健康経営は「生産性の向上」「欠勤率・離職率の低下」「事故や怪我などのリスク管理」など複数のメリットが得られます。

経営者や人事・労務担当者は、健康経営に関する助成金も確認してください。

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健康診断の助成金を申請する流れ-4つの手順で解説-

健康診断 助成金 申請の流れ・手順

ここでは、人材確保等支援助成金(職場定着支援助成金)を申請する際の手順を解説します。人材確保等支援助成金を申請する流れは以下の4つです。

最後まで読めば、人材確保等支援助成金の申請書類を作成する方法がわかり、スムーズに申請できるでしょう。

①雇用管理制度整備計画の作成・提出

健康診断の助成金を申請するためには、雇用管理制度整備計画の作成と提出が必要です。計画書には企業が健康診断をどのように実施し、従業員の健康管理を強化するかを具体的に記載します。

必要書類としては、導入する健康づくり制度の概要票、労働協約または就業規則の変更案などがあります。計画書の提出先は管轄の都道府県労働局です。

雇用管理制度整備計画書の提出は、計画開始日の6か月前から1か月前までに行う必要があります。

事前に準備を整え、余裕を持って申請手続きを進めましょう。

②労働協約または就業規則への追記・提出

健康診断の助成金を申請するためには、労働協約や就業規則に健康診断制度を明示する必要があります。なぜなら、労働協約や就業規則への追記により、企業全体での制度運用が確認できるからです。

就業規則に「年に一度の健康診断受診を義務」など明記すると良いでしょう。また、全従業員に対して周知を図り、制度の内容を理解してもらうことも重要です。

③健康づくり制度の導入

就業規則への追記が完了したら、「健康づくり制度の導入」を実施します。計画書に基づいて実際の健康診断を行い、従業員の健康管理を強化しましょう

具体的には、人間ドックや生活習慣病予防検診、腰痛健康診断などを労働者1名以上に対して実施します。計画通りに実施することで、助成金申請の基盤が整います。

④目標達成助成金の申請

計画期間終了後、目標達成が認められた場合、助成金の支給申請を行います。

支給申請には、計画時の離職率と比較した評価時離職率を示す書類などが必要です。

計画期間終了後2ヶ月以内に申請を完了させることで、助成金の受給が可能となります。

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健康診断で助成金を申請する際の3つの注意点

健康診断 助成金 申請の注意点

健康診断で助成金を申請する際の注意点は以下の3つです。

ここでは、健康診断の助成金をスムーズに申請できるように、注意点を詳しく解説します。最後まで見れば、助成金申請の注意点がわかり、ミスやトラブルを防げるでしょう。

申請書類は余裕を持って作成する

助成金を申請する際に重要なのは、申請書類を十分な余裕をもって作成することです。書類の不備や漏れがあると、申請が遅れたり、却下されたりする可能性があります。

申請書の作成には、企業の情報や従業員の健康診断結果など、さまざまな情報が必要です。正確に集め、整理してから申請書を作成しましょう。

申請期限に余裕をもって取り組むことも重要です。

急ぎの申請では、情報の漏れや書類の不備が生じやすくなります。時間に余裕をもって準備することで、申請手続きをスムーズに進められます。

助成金を申請する際は、書類作成に十分な時間をかけて丁寧に行い、申請期限には余裕をもって取り組みましょう。

外部に委託する場合は信頼性・実績がある業者を選ぶ

健康診断の助成金申請を外部に委託する際は、信頼性と実績を持つ業者を選ぶことが重要です。業者選定時には、実績情報や口コミ、専門性をしっかりと確認しましょう。

また、委託先との連携も重要です。定期的なミーティングや連絡を取り合い、進捗確認と方針の確認を行ってください。加えて、適切な秘密保持契約も締結し、情報漏洩を防ぐ対策を講じることも必須です。

外部委託の費用対効果を見極め、効果的なサポートを受けることで、助成金申請をスムーズに進められます。

助成金の勧誘業者の存在に警戒する

健康診断に関する助成金を申請する際、勧誘業者には十分に警戒してください。厚生労働省や労働局を名乗り、助成金の申請や受給を勧誘する業者が存在するため注意しましょう。

「100%助成金が受けられる」と謳う業者もいますが、支給要件を満たさなければ助成金は受給できません。

助成金の勧誘にご注意ください。
■キャリアアップ助成金の申請や、助成対象の診断および受給額の無料査定をするといった
記載の書面を一方的に送付(FAX)する、または電話により執拗に勧誘する業者の情報
が寄せられています。
こうした勧誘の中には、厚生労働省が当該勧誘活動に関与していることを示唆する内容が
含まれている場合がありますが、厚生労働省や労働局・ハローワークでは、このような
勧誘に関与している事実はありませんので、十分にご注意ください。
■このほか、「100%助成金が受けられます。」等の謳い文句を用いた勧誘を行う業者の
情報も寄せられていますが、支給要件を満たしていないと判断された場合、受給できま
せんのでご注意ください。
■また、助成金の支給申請事務を代理人に委ねていたとしても、事業主名で申請がなされる
以上、その内容が不正受給に該当する場合には、事業主も不正処分の対象となりますので、
事業所の雇用・就業実態と申請書類との整合性については、十分に確認してください。

引用元:厚生労働省

助成金の申請を代理人に委託する場合でも、申請内容に不正があれば事業主も不正処分の対象となるため、書類の整合性の十分な確認が重要です。

正確な情報をもとに、信頼性のある方法で助成金の申請を行いましょう。

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健康診断の助成金に関する3つのよくある質問

健康診断 助成金 よくある質問

健康診断の助成金に関するよくある質問は以下の3つです。

最後まで読めば、健康診断の助成金に関連する質問がわかり、疑問を解決できるでしょう。

健康診断は実費負担?

健康診断は基本的に企業が実費で負担します。なぜなら、法定健康診断は労働安全衛生法に基づき、事業主が全額負担する義務があるからです。

助成金や補助金が適用される場合でも、まずは企業が費用を支払い、その後に申請して補助金を受け取る形式が一般的です。

協会けんぽでもらえる健康診断の補助金はいくら?

協会けんぽでは、生活習慣病予防健診の費用を13,583円負担してくれます。補助金を受ければ、生活習慣病予防健診の自己負担額は5000円程度となります。

引用元:全国健康保険協会

健康診断の費用は給与支給できる?

健康診断の費用は給与として支給できます。ただし、給与として支給すると税務上の取り扱いが複雑になるため、避けるのが無難です。

健康保険の費用は、企業が直接医療機関に支払うのが良いでしょう。また、従業員が立て替えた場合には領収書を提出して経費精算する形が適切です。

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まとめ:健康診断の助成金を申請する際は要件や期限に注意しよう

健康診断 助成金 まとめ

人間ドックや生活習慣病予防健診などの法定外健康診断に関しては、助成金が活用できます。健康診断の助成金をもう一度以下で確認しましょう。

現在「人材確保等支援助成金(職場定着支援助成金)」は休止、「キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)」は廃止されています。「人材確保等支援助成金(職場定着支援助成金)」は再開する可能性もあるため、厚生労働省からの案内をこまめに確認すると良いでしょう。

また、財団法人や社団法人などの民間団体は独自で助成金を提供しています。自社が加入している団体に助成金がないか確かめるのもおすすめです。

企業担当者は、健康診断の助成金申請の流れ・注意点も把握してスムーズに申請できるようにしてください。