おかしい!ストレスチェックの結果に疑問を抱いたら?対処法や企業の課題を解説

ストレスチェック 結果 おかしい

  • ストレスチェックの結果がおかしい
  • 検査項目が間違っているのかな?

ストレスチェックを受けたことがある人のなかには、上記のような疑問を抱く人もいるでしょう。

結論を言うと、ストレスチェックの調査票は厚生労働省から委託を受けた国内大学の研究結果を反映しているため、異常な結果がでるものではありません。

本記事では、ストレスチェックの結果に「おかしい」と疑念を抱かないための対処法を解説します。

企業が取り組むべき課題を確認し、ストレスチェックをスムーズに遂行しましょう。

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ストレスチェックの結果はおかしい?信頼性・正確性について解説

ストレスチェックの結果がおかしい 信頼性・正確性

ストレスチェックの結果が「おかしい」と感じる場合でも、信頼性に問題があるとは限りません。なぜなら、厚生労働省はストレスチェックの簡易調査票の信頼性を高めるために、継続的な研究と改善を行っているからです。ストレスチェックは医師や専門家が分析した結果を調査票に反映しているため、信頼性・正確性が低いものではありません。

ストレスの認識は個人によって異なり、さまざまな要因に影響されます。

ストレスチェックの結果を受けて医師や専門家と相談し、適切なアドバイスやケアを受けることが大切です。

ストレスチェックは、メンタルヘルスの早期発見と管理に役立てるための検査です。結果を活用することで、より健康な生活をサポートする手段になります。

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企業が抱えるストレスチェックの5つの課題と解決策

企業が抱えるストレスチェックの5つの課題と解決策

企業が認識すべきストレスチェックの課題と解決策は以下の5つです。

ストレスチェックを活用して職場環境の改善に役立てるためにも、経営者や人事・労務担当者が取り組むべき課題と解決策に関して理解を深めてください。

実施のための準備

ストレスチェックの実施には、適切な準備が必要です。しかし、多くの企業がストレスチェック制度に関する理解不足や適切な運用方法の不明確さに直面しています。

この課題を解決するためには、ストレスチェック制度について従業員に適切な情報を提供し、理解を深めることが重要です。

ストレスチェックの実施プロセスを明確化し、適切なスケジュールや手順を設定することも必要です。

さらに、ストレスチェックを行う医療機関や専門家との連携も重要であり、適切なパートナーシップを築くことが求められます。これらの取り組みにより、ストレスチェックの実施準備をスムーズに進められます。

実施方法

実施方法に関する課題として挙げられるのは、誰が実施するかという点です。ストレスチェックを社内の人員だけで行う場合、調査の方法や評価基準なども慎重に検討する必要があります。

ストレスチェックの実施者になれるのは「人事権のない社員」など、厚生労働省が定めている取り決めもあるため、企業はマニュアルに沿った対応が求められます。

ストレスチェック結果が労働者の意に反して人事上の不利益な取扱いに 利用されることがないようにするため、当該労働者について解雇、昇進又は 異動(以下「人事」という。)に関して直接の権限を持つ監督的地位にある 者は、ストレスチェックの実施の事務(ストレスチェックの実施を含む)に 従事してはいけません。

厚生労働省

解決策として、外部の専門機関と提携することが挙げられます。実施方法に関する情報を社内で共有し、従業員の理解を深めることも重要です。

適切な受検環境の整備

ストレスチェックの受検環境の整備は、労働者が正確に自身の心理状態を把握しやすいようにするための重要な課題です。しかし、職場内での受診時には、ほかの業務や騒音などが集中力を妨げる場合があります。

この問題に対処するためには、静かなスペースの確保や予約制の受診時間の設定など、受検環境の改善が必要です。

また、従業員に対してストレスチェックの重要性や受検時の環境について周知徹底することも有効です。適切な受検環境を整えることで、労働者がより落ち着いて調査票に回答できるようになり、正確な結果を得られます。

高ストレス者への個別対応

ストレスチェックで高ストレス者と判定された場合の個別対応の課題は以下の4つです。

  • 労働者のプライバシーや守秘義務の尊重
  • 面談指導を申し出た人へ産業医を案内
  • 面談後、労働者の意向や状況を確認
  • 支援のための人員や予算の確保

まず、労働者のプライバシーや守秘義務の尊重しつつ、希望者に産業医への面談指導を案内します。産業医との面談後、企業が採るべき行動を検討する際には、労働者の意向や状況を尊重しなければなりません。

また、高ストレス者への適切な支援が人的・経済的に限られている場合もあります。企業がストレスチェックの結果に基づいて適切な支援を行うためには、人員や予算の確保が必要です。しかし、中小企業などの場合、そのようなリソースが限られていることがあります。

以上の課題に対処するためには、労働者とのコミュニケーションを重視し、適切な支援策を見極めるための体制強化が必要です。専門家やコンサルタントの活用、労働環境の改善など、さまざまな手段を組み合わせて問題解決に取り組むことをおすすめします。

結果の活用

ストレスチェックの結果を活用することは、企業にとって重要な課題の一つです。しかし、その活用にはいくつかの障壁が存在します。まず、結果を適切に解釈し、効果的な対策を立てることが難しいという点が挙げられます。

企業は個々の労働者のプライバシーや情報保護に配慮しながら、適切な対応をとらなければなりません。

労働時間の調整などは比較的対応しやすいですが、人間関係やハラスメントへの対応は複数の従業員が関わる問題なので慎重に配慮する必要があります。

解決策としては、結果の分析を専門家に委託することや、結果を明確に労働者と共有し、オープンなコミュニケーションをはかることが挙げられます。結果をもとにした具体的な改善策を早急に実施することが重要です。

結果の活用を促進するためには、組織全体での意識改革や定期的なフォローアップが欠かせません。

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ストレスチェックで高ストレス者と判定された場合は?

ストレスチェックで高ストレス者と判定された場合

ストレスチェックで高ストレス者と判定されると、まずは産業医との面談が推奨されます。

この面談では、労働者の現状やストレスの原因などが話されます。労働者が産業医に話した詳細な内容は、個人情報保護の観点から企業に伝わることはありません。

産業医が企業と労働者の状況を共有し、企業が休職や離職などの対策を決定することが、ストレスチェックの最終的な着地点です。労働者のメンタルヘルスを支援するために、休暇やカウンセリングの提供、業務負荷の軽減などの措置が取られることがあります。

高ストレス者面談のデメリット・メリット」の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

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ストレスチェックの結果がおかしいと思ったときの見方

ストレスチェックの結果 おかしいと思ったときの見方

ストレスチェックは以下の3つの内容で結果が出ます。各内容の見方を押さえ、「おかしい」と思ったときの確認事項として参考にしてください。

  • 仕事のストレス判定図

職場でのストレスの原因やその程度を判定し、可視化できるツールです。「コントロール判定図」と「職場の支援判定図」の2種類で構成されています。

  • コントロール判定図

仕事の量的負担を見る項目があり、負担が高いとメンタルヘルスの問題につながります。仕事のコントロールの項目は労働者の裁量権を表し、数値が低いとストレス・不満・不適応の原因になります。

  • 職場の支援判定図

上司の支援を見る項目があり、支援が十分でないことが表示されるとストレスを感じやすい状況にいると判定されます。同僚の支援を見る項目では、情報の共有・助言・感情的なサポートを判定し、職場の居心地の良さを判断します。

ストレスチェックの見方は「ストレスチェックの結果の分析法・見方を解説」で詳しく説明しているので、ぜひご覧ください。

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ストレスチェックの結果がおかしいことに関する5つのよくある質問

ストレスチェックの結果 おかしい よくある質問

ストレスチェックの結果がおかしいことに関する質問は以下の5つです。

上記の疑問を解決すると、従業員がストレスチェックに前向きに取り組めるようになるでしょう。

ストレスチェックの結果が高ストレスだと会社にバレる?

ストレスチェックの結果が高ストレスだとしても、基本的には会社にはバレません。なぜなら、ストレスチェックの結果は個人情報として扱われるため、本人の同意なしに上司や企業へ提供することは禁止されているからです。

ストレスチェックの結果

引用:ストレ スチェック制度 導入マニュアル|厚生労働省

ただし、産業医は高ストレス者と判定された労働者と面談を行います。この面談の内容は基本的には秘密が守られますが、場合によっては労働者本人や企業によって必要な情報が共有されることもあります。

ストレスチェックの結果を見ても良い人は?

ストレスチェックの結果を見ても良い人は、労働者本人・産業医・実施者・実施事務従事者です。労働者本人は、自身の健康状態を知るために結果を閲覧できます。産業医は労働者の健康管理や職場の安全を担当しており、ストレスチェックの結果を見ることが可能です。

実施者や実施事務従事者は調査票の配布・回収・データ入力・結果の通知を送る役割があるため、ストレスチェックの結果を見ることが許可されています。ただし、これらの担当者は結果を機密保持し、個々の労働者のプライバシーを尊重する必要があります。

参照:ストレスチェック制度導入マニュアル|厚生労働省

ストレスチェックは何点以上だと高い?

ストレスチェックの点数は「高い・低い」など、一般的に定義されていません。ストレスチェックの調査票は形式が一律ではないため、専門家や医師が定めた基準とガイドラインに従います。

厚生労働省が配布している以下2つを使用する場合は 「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」に評価基準の設定例が複数記載されているので、ぜひ参考にしてください。

ストレスチェックは何点から高ストレス者?

ストレスチェックは何点以上が高ストレス者になるかは企業によって異なります。

厚生労働省の資料にも以下のように明記されており、点数の基準は実施者の意見や衛生委員会の審議を参考にして企業が決定します。

○ 高ストレス者の選定方法
次の①又は②のいずれかの要件を満たす者を高ストレス者として選定するものとする。この場合において、具体的な選定基準は、実施者の意見及び衛生委員会等での調査審議を踏まえて、事業者が決定するものとする。
① 調査票のうち、「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が高い者
② 調査票のうち、「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が一定以上の者であって、かつ、「職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目」及び「職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目」の評価点数の合計が著しく高い者
実施者による具体的な高ストレス者の選定は、上記の選定基準のみで選定する方法のほか、選定基準に加えて補足的に実施者又は実施者の指名及び指示のもとにその他の医師、保健師、看護師若しくは精神保健福祉士又は産業カウンセラー若しくは臨床心理士等の心理職が労働者に面談を行いその結果を参考として選定する方法も考えられる。この場合、当該面談は、法第 66 条の 10 第1項の規定によるストレスチェックの実施の一環として位置付けられる。

引用元:厚生労働省

ストレスチェックの回答は任意?

ストレスチェックの回答は基本的に任意です。労働者は自発的に回答でき、回答を拒否する権利もあります。

しかし、多くの場合、企業が従業員に対してストレスチェックを実施する際には、積極的な参加を奨励する傾向があります。

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まとめ:ストレスチェックの結果がおかしいと感じたら原因を探ることも必要

ストレスチェックの結果がおかしい まとめ

ストレスチェックは国内大学の研究結果が反映されているため、通常、労働者が感じるストレスレベルと結果が大きく乖離することは少ないです。そのため「おかしい」と感じたら原因を探ることも必要です。

まず、企業は以下の5つの課題と解決策に取り組んでください。

また、ストレスチェックの結果の見方を理解しておくことも良いでしょう。

ストレスの認識は個人によって異なり、さまざまな要因に影響されるものです。「結果を活用してメンタルヘルスの早期発見・管理をする」ことを、企業と労働者ともに認識することが大切だといえます。