0120-984-925
ストレスチェックに意味がないというのは誤解です。主に、以下の3つの理由から必要とされています。
- 従業員が自分のストレスを把握できる
- 職場環境の改善につながる
- 従業員へ適切な支援ができる
しかし、意味のないストレスチェックになっている企業があるのも事実です。当記事では、意味のないストレスチェックになる原因や改善策を解説します。
当記事を読むと、以下のことが分かります。
最後まで読めば、意味のないストレスチェックから脱却し、より良い職場環境を作れるようになるでしょう。
資料ダウンロードはこちら
【ストレスチェック実施サポートマニュアル】
会社でストレスチェックを実施することには意味があります。理由は以下の3つです。
- 従業員が自分のストレスを把握できる
- 職場環境の改善につながる
- 従業員へ適切な支援ができる
労働安全衛生法により、2015年からストレスチェック制度が義務化されました。ストレスチェックの目的は、うつなどのメンタルヘルス不調を未然に防止することです。
ただし、本来の目的を達成するためにはストレスチェックを単に実施するだけでなく、ストレスチェックの結果に応じて正しく対処することが求められます。
例えば、従業員が心の状態を知ってストレスをためすぎないように対処したり、医師の面接を受けて助言をもらったり、会社に配慮してもらったりすることが必要です。
資料ダウンロードはこちら
【ストレスチェック実施サポートマニュアル】
うつなどのメンタルヘルス不調を未然に防ぐために行われるストレスチェックですが、意味がないと言われることも多くあります。
ストレスチェックを意味がないと思うのは、従業員だけではありません。ここでは、以下の2つの立場から意味がないと言われる理由を見てみましょう。
ストレスチェックに意味がないと思う理由をそれぞれの立場から考えてみると、より具体的な改善策が見えてきます。
従業員が意味ないと思う4つの理由
従業員がストレスチェックを意味ないと思う理由は以下の4つです。
それぞれの理由に対する従業員の思いや、現在行われている会社の対応を見てみましょう。
ストレスチェックの目的を理解できない
従業員の中には、ストレスチェックの本来の目的を十分に理解していない人も多くいます。そもそも、ストレスチェックが何のために行われているのかが曖昧だと、自分の時間を割いてストレスチェックを受けることを億劫に感じるでしょう。
ストレスチェックは自分のストレス状態を知るだけでなく、職場全体の環境改善やメンタルヘルスケアの一環です。
しかし、目的がうまく伝わっていない場合、従業員はストレスチェックの重要性を感じにくくなります。
ストレスチェックを受検してもストレスが解消されない
ストレスチェックを受けたからといって、すぐにストレスがなくなるわけではありません。実際に受けた人の中には、結局チェックを受けただけで終わってしまった経験がある方も多いでしょう。
ストレスチェックの結果を見て、自分のストレスを認識したとしても、その後に具体的なサポートがなければ状況は改善しません。ストレスチェックの結果を反映した適切な対処がない“受けっぱなし”状態の場合、従業員は意味ないと感じてしまいます。
高ストレス者になっても産業医面談だけで終わる
ストレスチェックの結果で高ストレス者と判定された場合、産業医面談が行われます。さらに、面談後は個別に支援を受けながらストレス解消を目指していくのが理想です。
実際には産業医面談が形式的に終わってしまうことがあります。
産業医との関係構築が難しい1度きりの面談であることや、従業員は産業医に話した内容が上司や会社に伝わるのではと不安に感じることが原因です。
面談が形式的に終わり、その後に具体的な対処が取られない場合、従業員は産業医面談やストレスチェックを意味ないと感じるでしょう。
ストレスチェック後の会社の対策が不十分
ストレスチェック後の会社の対応が不十分なことも、意味ないと言われる理由の一つです。
令和4年度の労働安全衛生調査によると、集団分析を職場環境の改善に活用している企業は80.2％です。令和2年度では66.9％だったのと比べて増加傾向にありますが、未だストレスチェックの結果を活かしていない“受けっぱなし”企業があるのも事実です。
実際にストレスチェックを受けた人の感想を知恵袋で調査したところ、以下のような投稿が見つかりました。
ストレスチェックって意味あると思いますか？
この間、ストレスチェックをやったら、イライラ感以外、すべて評価は1で、高ストレスで面談をオススメしますみたいな結果が出ました。去年も同じような結果で、面談とかについて会社では何もいってきませんでしたし、それでもいろいろトラブルや揉め事はありましたが、仕事はこなせました。下手に面談とかをやって、それが会社にばれて、なんだかんだ言われるのも面倒です。ストレスチェックの実施が義務づけられてるのかもしれませんが、結果が出ても、会社が何もしないのであれば、ストレスチェックをやる必要もないと思うんです
引用元：Yahoo!知恵袋
ストレスチェックの結果を自身で見るだけで後に続くアプローチがない場合、受検の意味がないと感じる従業員は多くなります。
企業側が意味ないと思う3つの理由
企業側がストレスチェックを意味ないと思う理由は以下の3つです。
これらの理由に対する企業側の対処法を見てみましょう。
受検率が低い
ストレスチェックの受検率が低いと、企業は従業員のストレス状態を正確に把握できません。職場環境の改善に必要な情報が不足するため、ストレスチェックの結果の活用が難しくなります。そのため、企業側はストレスチェックを実施しても意味がないと感じるのでしょう。
従業員がストレスチェックを受けたがらない理由として、プライバシーの心配や、受検の手間の多さが挙げられます。
企業側は従業員にストレスチェックの目的を正しく伝え、ストレスチェックの結果が職場環境の改善につながることを示す必要があります。
ストレスチェックの結果を活用し、改善策を講じる姿勢を見せることがストレスチェックの受検率を高める鍵です。
詳細は「従業員にストレスチェックを拒否された場合の4つの対処法」の記事をご覧ください。
産業医面談の申し出が少ない
ストレスチェックの結果、高ストレス者と判定された従業員が産業医面談を希望しない場合、企業は適切な対応が難しくなります。
産業医面談は、従業員のストレスを軽減するための具体的なサポートができる場です。しかし、面談の申し出が少ないと、個別のフォローが叶わずストレスチェックの実施を意味ないと感じます。
産業医面談の申し出が少ない理由として、従業員が面談を受けることに対する抵抗感や、プライバシーの保護に対する不安が考えられます。
企業は、産業医面談の意味や内容を従業員に伝えることが必要です。また、面談の内容が守秘義務のもとに行われることも周知しましょう。
面談が自身の健康管理に役立つと理解してもらうのも大切です。
集団分析結果の使い方が分からない
ストレスチェックは従業員の職場のストレス要因に気づくことができ、適切な環境改善を考えるための重要なデータとなります。
企業側がストレスチェックの結果をどう活用すれば良いか分からない場合、効果的な改善策を立てることは困難です。
その結果、ストレスチェックが形式的なものに終わり、企業側は意味ないと感じてしまうことがあります。
集団分析結果を活用するためには、ストレスが高い部署やチームの特定から始めましょう。全国平均と比較して自社のストレス状態を把握し、高ストレスの部署のストレスの原因を探ることで改善策が見えてきます。
詳しくは「ストレスチェックの結果の分析法・見方を解説」の記事をご覧ください。
資料ダウンロードはこちら
【ストレスチェック実施サポートマニュアル】
ストレスチェックに関して従業員が抱える不安は、以下の2つです。
それぞれの不安について詳しく解説します。従業員の不安を解消することで、意味のあるストレスチェックが実施できるでしょう。
ストレスチェック結果の管理状況
一部の従業員は、ストレスチェックの結果が適切に管理されているかどうかに不安を感じています。ストレスチェックの結果は極めてデリケートな個人情報です。そのため、結果は厳重に管理されることを事前に共有しておく必要があります。
法律により、個人のストレスチェックの結果は、5年間保存することが義務付けられています。
ストレスチェックの結果は、医師や保健師などの資格を持つ実施者や、実施事務従事者が管理し、むやみに公開されることはありません。
従業員が安心して受検できるよう、ストレスチェック結果の管理状況を事前にしっかり説明することが必要です。
ストレスチェック結果を企業側に知られたくない
多くの従業員は、ストレスチェックの結果が企業側に知られることに不安を抱いています。この不安から、嘘の回答をしたり、受検を拒否したりするケースもあります。
ストレスチェック結果は、本人の同意なしに事業者へ通知されることはありません。
さらに、ストレスチェック結果が人事評価に影響しないよう、人事権を持つ者がストレスチェックの事務に関与しないことが定められています。例えば、社長や専務、人事部長などがストレスチェックの内容に関与することはありません。
従業員に対して、結果が人事に影響を与えたり、業務上不利に働いたりすることはないと明確に伝えておくことが大切です。
資料ダウンロードはこちら
【ストレスチェック実施サポートマニュアル】
意味あるストレスチェックにするための対応策は以下の4つです。
上記の対策を取り入れることで、従業員や企業側にとって意味のあるストレスチェックになるでしょう。
ストレスチェックの目的・意味を従業員に周知する
最も重要なのは、ストレスチェックの目的とその重要性を従業員にしっかりと伝えることです。ストレスチェックは本来、従業員の健康を守るためのものです。
しかし、ストレスチェックを単なる形式的な手続きととらえている従業員は多いでしょう。そのような誤解を解くために、ストレスチェック結果がどのように活用され、どんな目的を果たせるのかを伝える必要があります。研修を通じて直接説明するのも効果的です。
ストレスチェックの受検率を上げる
ストレスチェックの受検率を上げることも重要です。
受検率が低いと、正しいデータが得られず、職場環境の改善に活かせません。
従業員が安心してストレスチェックを受けられるように、プライバシー保護の徹底や、結果が人事評価に影響しないことを明確に伝えましょう。また、受検の利便性を高めるために、オンラインでの受検を推奨するなどの工夫も有効です。
分析結果を職場環境改善に活かす
ストレスチェックの結果を活用し、職場環境の具体的な改善策を実施することも不可欠です。集団分析結果をもとに、ストレスが高い部門や業務内容の見直しを行い、改善策を講じることで、従業員のメンタルヘルスを向上させられます。
また、改善策の実施後には、その効果を確認し、継続的に職場環境の改善を図っていくことが重要です。
経営課題(メンタルヘルス対策)として真剣に取り組む
ストレスチェック結果を個人の問題ととらえず真摯に受け止め、経営課題として真剣に取り組むことが求められます。
健康経営におけるメンタルヘルスケアは、以下の3つの観点から必要とされています。
- 生産性の向上
- 欠勤率・離職率の低下
- 事故や怪我などのリスク管理
ストレスチェックの結果を活かしてメンタルヘルス対策を講じることで、企業の生産性向上や活性化につながり、業績の向上も期待できます。
メンタルヘルスケアが企業に与える影響については、「健康経営にメンタルヘルスケアは必要？」で詳しく解説しています。
資料ダウンロードはこちら
【ストレスチェック実施サポートマニュアル】
ストレスチェックとは、職場で働く人たちが自分のストレス状態を把握し、メンタルケアに役立てるために実施される検査のことです。
特に、50人以上の従業員がいる事業場では、法律により年に一度、この検査を全員に行うことが義務づけられています。
ストレスチェックの目的
ストレスチェックの目的は、従業員のストレス状態を把握し、早期に対策を講じることで、うつなどのメンタルヘルス不調を未然に防止することです。
ストレスチェックの結果から企業の問題点を洗い出し、職場環境を改善すると、他の従業員の健康も守れます。良い職場環境は、生産性向上や組織の活性化にもつながるでしょう。
ストレスチェックの本来の目的や重要性を理解し、その意義を活かした取り組みや従業員への周知が必要です。
資料ダウンロードはこちら
【ストレスチェック実施サポートマニュアル】
ストレスチェックの意味がないことに関するよくある質問は以下の4つです。
よくある質問からストレスチェックに対する理解を深めることで、意味のないストレスチェックから脱却できるでしょう。
ストレスチェックにおける高ストレス者面談のデメリットは？
高ストレス者面談には、以下の3つのデメリットがあります。
- 面談担当者の能力により受けられるサポートに差が出る
- プライバシー保護の難しさ
- 社内で問題を抱えている従業員と見なされる
適切なトレーニングを受けていない産業医や人事担当者が面談を行うと、適切なサポートが難しく、意味のない面談になったり、状況を悪化させてしまったりする場合があります。
社内で面談を行う場合、面談を受けたことが周りに伝わり、「何かしらの問題を抱えた人」というレッテルが貼られてしまうケースもあり得ます。
企業は適切なトレーニングを受けた面談対応者を用意し、プライバシーを守るために面談の仕方を工夫することが必要です。
詳しくは「高ストレス者面談のデメリット・メリットとは」の記事をご覧ください。
ストレスチェックが高ストレスだった従業員への対応は？
ストレスチェックの結果、高ストレス者と判定された従業員に対しては、産業医などの医師による面談を申し出ることが可能です。この申し出に基づき、面談指導を実施することは事業者の義務として法律で定められています。
さらに、面談のタイミングについては迅速な対応が求められ、従業員の申し出から約1か月以内に面談を実施するよう努めることが必要です。迅速に高ストレス者のメンタルヘルスケアを行い、職場環境の改善につなげましょう。
ストレスチェックの高ストレス者を放置するとどうなる？
ストレスチェックの高ストレス者を放置すると、うつ病などメンタルヘルス問題が深刻化する可能性があります。
企業全体の生産性の低下や離職・退職者の増加につながり、安全配慮義務違反の責任を問われることもあります。
ストレスチェックの結果から適切な対応を行うことで、従業員の健康を守り、職場環境を改善できます。
高ストレス者に企業がすべき対応などの詳しい説明は「ストレスチェックの高ストレス者割合とは？」をご覧ください。
ストレスチェックは嘘の回答をしても良い？
ストレスチェックに正直に回答しないことは避けましょう。嘘の回答からは正確なデータを得られず、自身の健康を守ることも、働きやすい職場環境を作っていくことも難しくなります。
従業員や企業側が、ストレスチェックの目的や意義を再認識して正しく活用していくことで、互いにとって意味のあるストレスチェックになります。
資料ダウンロードはこちら
【ストレスチェック実施サポートマニュアル】
ストレスチェックに意味がないというのは誤解です。しかし、ストレスチェックの目的や意義を理解しないまま行うと、意味のないストレスチェックになりかねません。
まずは企業がストレスチェックへの意識を高め、従業員にしっかりと受検の意味やプライバシー保護の安全性を伝えることで、意味のあるストレスチェックが実施できます。
ストレスチェックの効果を最大限に活かして職場環境を改善し、従業員の健康を守りましょう。従業員の健康や働きやすさが、企業の生産性向上や活性化につながっていくはずです。
